渋川中央病院だより 最新号(令和2年~)
渋川中央病院だより No.202(2021年1月号)
「MRI」と「CT」はどう違うのか
MRI検査もCT検査も、どちらも丸い機械の中に入って体の断層を見る検査技術のことですが、原理は以下の通りです。
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像):強力な電波を使って、体内にある水分に作用して断層を撮影します。
CT(Computed Tomography:コンピューター断層撮影法):X線検査の立体版で、レントゲン照射した後にコンピューターで画像を作り出します。
MRIとCTは撮影技術がそもそも異なっています。
時間は長いが放射能被爆ゼロのMRI、時間は短いが被爆するCTスキャン
MRIとCTにも、それぞれメリットやデメリットがあります。MRIのメリットは、脳や筋肉など水分の多い箇所の画像診断に力を発揮することや、放射線被爆の心配がないので妊婦やお子様にも安心という点が挙げられます。一方、デメリットは、全身の撮影に30分〜1時間程かかり、さらに、狭く音がうるさい空間に長時間動かずにいる必要があるということです。
CTのメリットは、骨など水分が少ない箇所の画像診断に力を発揮し、全身のでも撮影にわずか20~30秒しかかからない点です。一方、デメリットは、放射線を使うため、多少なりとも被爆してしまうことです。また、内蔵の診断をする際等は、骨が一緒に写ってしまうため、見えない部分が出てくることです。
MRIとCTはそもそも撮影技術や形式が異なるものなので、病状や撮影箇所、目的などによって選択されます。医師が適切にどちらかを選択するので、受診する側に選択を迫られるという心配はありません。しかしペースメーカーなど、体内に機械や金属が埋め込まれている人は、MRIは磁場の高い環境に長時間いるため検査ができない場合がありますので、検査を受ける前に告知が必要となります。また、妊婦は放射能被爆の可能性があるCTスキャンの検査は避けることも大事です。そのため検査を受ける際、妊娠中であることを医師に伝えることが大切です。また人間ドックを受診する際、今自分が感じている違和感や健康不安、既往歴などを医師に的確に伝えることが重要とも言えます。
放 射 線 科

MRI装置

CT装置
第15回 令和2年度 院内研究発表
昨年も院内研究を各部署で行いました。研究内容・成果の発表は、一堂に会せず、web上で行いました。
主催:院内教育委員会
演 題 | 所 属 | 氏 名 | |
① | コロナ感染者を出さない為に | 療養病棟 | 中島 泰貴 |
~リモート面会を考えていく~ | |||
② | デイケアでのコロナ対策 | デイケア | 永井亜希子 |
~デイケアを安全に利用して頂くために~ | 滝沢 有加 | ||
③ | 災害時の備蓄食について | 栄養課 | 田中 愛子 |
~備蓄食マニュアルと運用方法~ | |||
④ | 退院後の転倒防止の為に自宅環境に着目し介入した症例 | リハビリ科 | 齋藤 宏樹 |
~回復期リハビリテーション病棟における家屋調査の重要性~ | 中野 侑美 | ||
⑤ | 入院時に立案する褥瘡対策に関する診療計画書が適正であるかどうかを明らかにする | 本院一般病棟 | 設樂美佐子 |
⑥ | 療養病棟の夜勤におけるストレス実態調査 | 療養病棟 | 八木 萌美 |
~ストレスの原因と検証~ | 平井 善雄 | ||
⑦ | 運動療法による透析中の有痛性筋痙攣予防 | 透析室 | 梅沢 弘美 |
~患者自身による運動療法の効果について~ |
渋川中央病院だより No.201(2020年11月号)
「第3リハビリ室」、稼働しています
リハビリ病棟の向かい側、プレハブ倉庫に見える建物が第3リハビリ室です。木目調のフローリング、窓ガラスで囲まれた室内はとても明るく開放的です。各種リハビリ機器やWi-Fi環境も整備され、これからのリハビリスタイルに期待できるエリアです。
現在は屋外歩行練習を第3リハビリ室経由で行ったり、トレーニングマシーンを用いた筋力練習のときに使用しています。今後は、患者様への利用を拡大させていく予定ですので少しお待ちください。安心して効果のあるリハビリが行えるようスタッフ一同努めてまいります。
リハビリテーション科

新たに拡張されたリハビリ室

明るく開放的な室内
医師紹介
小林宣彦
・群馬大学卒業
・総合内科専門医・指導医
・血液専門医・指導医
令和2年4月より、水曜午前・内科病棟、午後・内科外来を担当させて頂いております。
現在、群馬大学血液内科に所属しておりますが、当院でも研鑽を積んで参りたいと思っております。ご指導の程、宜しくお願い申し上げます。
松本 彬
4月より、毎週木曜日に内科外来(午前)、病棟(午後)、夜間当直を担当させて頂いております。地域の患者さんにやさしい医療を提供できるよう、努力してまいります。宜しくお願い致します。
地域連携室 新たな体制へ
11月2日から地域連携室は新たなメンバーを迎え、さらに充実した体制を整備していく予定です。本院では看護師・西本、社会福祉士・重田で担当し、リハビリ病棟では看護師・石北三重子、社会福祉士・石北武で担当します。地域連携室が入院早期から関わることにより、患者様が安心して入院生活や退院後の生活を思い描けるよう支援していきたいと思います。また、患者様が誰と、どこで、どのような生活をしていきたいかなどの十分な意思決定支援を行っていきたいと思います。今後、地域のつながりの要となり、よりいっそう地域に愛される病院となるような役割を果たせればと考えています。
地域連携室
渋川中央病院だより No.200(2020年7月号)
管理栄養士から
新型コロナウイルス感染症の予防策として、免疫力を高めることも重要になってきます。免疫力を高めるには、バランスの良い食事が必要です!
そこで今回は、免疫力を高める食事のポイントを紹介します♪
★ポイント1:たんぱく質を摂る★
たんぱく質は免疫細胞や皮膚・粘膜の材料となる栄養素。
肉類、魚介類、卵、大豆製品 など
★ポイント2:抗酸化作用(ビタミンA・C・E)があるものを摂る★
免疫細胞の強化に必要な栄養素。
・ビタミンA:目や皮膚、のど・鼻の粘膜を保護する働きのある栄養素。
緑黄色野菜、うなぎ、レバー、乳製品、卵 など
・ビタミンC:免疫機能の向上、コラーゲン生成を促す働きのある栄養素。
果物(柑橘類、いちご、キウイ etc)、野菜類など
・ビタミンE:強い抗酸化作用、血行促進作用のある栄養素。
ナッツ類(アーモンド、ピーナッツ etc)、アボカド など
★ポイント3:発酵食品や食物繊維を摂り、腸内環境を整える★
腸には全身の免疫細胞の約70%が存在すると言われているため、腸内環境を整えることで、免疫力アップにつながる。
・発酵食品:ヨーグルト、チーズ、納豆、味噌、漬物 など
・食物繊維:海藻類、きのこ類、根菜類 など
★ポイント4:体を温めるものを摂る★
体を温め、血流をよくすると免疫細胞の働きが活発になる。
生姜、にんにく、唐辛子、葱、にら など
新任の挨拶
訪問看護ステーション石原の里 看護師長 佐藤 幸子
初めまして。この度、訪問看護ステーション石原の里の看護管理者として着任しました、佐藤幸子です。
4月に退任された此川看護部長からお声がけいただき、32年間務めてきたJCHO群馬中央病院の定年を機に訪問看護という新たな分野にチャレンジさせていただく事となりました。
訪問看護に関しては、右も左も分からない状況ですが「石原の里」の皆様のおかげで毎日、書類と格闘しつつ、新たな学びを楽しみながら仕事をさせてもらっています。コロナウイルス感染の状況が落ち着いたら、皆様に顔を覚えてもらうために各病棟に足を運び、情報交換ができればと考えています。
今後は、今までの看護師経験の中で得た学びとともに、医療安全管理者研修や看護管理者研修等、様々な研修を現場に生かすことができればと考えています。
至らない点も多々あるとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
脳梗塞で救急搬送
6月2日の朝、倫理のモーニングセミナーに出て家に帰り、夫と食事、8時には職場の朝礼にでかけた。 3カ所の朝礼を済ませたら、夫を2泊3日の予定入院させる為に30分程、車を運転しなければならない。
でも、朝礼先で車を降りて玄関まで歩いたところで、「お前、変だ!」とCTを撮られ、救急車が呼ばれ、そのまま、夫が入院する筈だった大学病院に搬送された。そして右足の付け根からカテを入れて、見事、詰まりを除去してくれた。tP Aと言う薬剤で溶かしたのか?治療法の説明は家族は聞いたかもしれないが、本人はまだ聞いてない。いや、聞いてもボケてただけかも。
それからは本当によくしてもらった。先生方も、看護師さんも、コメディカルの方たちも、親切で明るい。日本で病気になるとありがたさ、かたじけなさが染みる。
事件は早朝の3時すぎ。昨夜、救急用の個室から、新患が来るというので急遽、4人部屋に移動してくれと言われた。ヘリコプターで運ばれてくる、その音が病室にも聞こえる。同室の方はひとりしかいなかった。そしてその朝3時。夜中でもあるし、トイレの音で迷惑はかけられないと、廊下に出てすぐ近くのトイレに向かった。用をすませて廊下に出て、靴をちゃんと履かなかったので歩く音が大きいかな?と靴を履き直したところ、ひっくり返った。頭を打ち、腰を打った。大きな音がした。
しまった!私は傲慢だった。
生母が肺癌の手術をして、退院だというその日に部屋の中で転んで、圧迫骨折したことを思い出した。手すりを掴んで靴を履き直せばいいのに、コロナのせいで手を出しそびれた。今思えば、しっかり手摺りを掴んで履き直し、部屋の入り口のアルコールで除菌するだけのことだったのに、もう大丈夫と思っていた傲慢な自分がいた。
5〜6分、そうしていただろうか?誰も来ない。ここで事故ったら今まで手を差し伸べてくれた人たちの好意をオジャンにしてしまう。私はひたすら何事も無いように祈った。
ようやくベッドに戻った。腰がミシミシする。なんとしても無事に退院して、あの哀れな夫の元へ帰らなければならない。右脚100%、左脚90%、血管詰まらせた夫。家の猫7匹の運命だってかかっている。
それにしても咳をすると腰に響くなぁ。打った頭は大丈夫だろうか?弱った血管が破れちゃったかも?
まさか! (Y.K)
≪群大病院の窓から≫
渋川中央病院だより No.199(2020年5月号)
“新型コロナ”で糖尿病の悪化に注意!
新型コロナウィルス感染症の流行にともなって、不要不急の外出を自粛しなければならなくなり、どうしても運動不足になりがちです。しかし、運動不足から体力や抵抗力の低下を招き、健康を害する恐れもあります。また、運動不足は肥満や糖尿病の悪化にもつながります。自宅での軽い運動(体操・脚の筋トレ)や家事への積極的な参加、人混みを避けた屋外での散歩など、運動不足にならないように工夫しましょう。マスクとこまめな手洗いは忘れずに。
また、外出の自粛によって自宅で過ごす時間が増えて、生活のリズムも乱れてしまいがちです。朝食や昼食を抜いたり、単品の食事やインスタント食品で簡単に済ませたり、ついつい間食をしてしまったりと、食生活も乱れがちになります。食べ過ぎや炭水化物に偏った食事・バランスの悪い食事は糖尿病を悪化させ、糖尿病が悪化すると抵抗力も落ちてしまいます。こんな時こそ“量より質”で栄養バランスの良い食事を心がけ、朝・昼・夕の3食をしっかり摂って、抵抗力を落とさないようにしましょう。
医師 橋田 哲
新看護部長が着任しました
令和2年4月23日
皆様こんにちは
この度、此川愛子看護部長の後任として、看護部長を拝命いたしました高橋泰子です。
昨年度までは、群馬県済生会前橋病院に39年間勤務しておりました。
例年ですと新入職者をお迎えする立場でしたが、今年は自身が新たに入職することになり、とても新鮮な清清しい気持ちになりました。
皆様に温かく迎えていただいてから、早1ヶ月が経とうとしています。
来月から積極的に現場に出向きたいと思いますので病棟・外来等で見かけましたら是非お声掛けください。
昨今、新型コロナウィルス感染症拡大が続く中、医療安全や感染防止対策がますます重要になってきています。今までに看護管理とリスクマネジャーの研修を受けてきましたので役立てていきたいと思っています。
微力ではありますが精一杯努力して参りますのでどうぞ宜しくお願い致します。
看護部 高橋 泰子
ニュース!
マスクの入荷が難しく、当院スタッフも、心配と、日々対策を思案しております。一昨日のツイートで、洗剤とワイドハイターで浸け置き洗いできるとありましたのでやってみました。手洗いしてゆすぎ、ぶら下げて干す。良いようです。試してみて下さい。
今朝のニュース、新潟大とスポーツウェアメーカーのオンヨネが開発した細菌やウィルスを不活化、死滅させるマスクが来月から販売開始されます(写真)。これのいいところは、100 回洗っても効果は80%というところです。日本人て、すごいですね。期待しましょう。
タカラバイオ、ワクチン、年内、20 万人分供給可能、の朗報が。だんだんですねー。ノーベル賞学者、「人人感染」よりも「人物感染」の方がより多いと。特に気を付けるのは公衆トイレ。水を流すと、思ったより飛沫が飛んでいる。注意せよ!
アビガン、オルベスコ、そして日本ではまだ未承認のレムデシベル。治療薬が少しずつ並び始めています。特に内服薬アビガンは富士フイルムが年内に200 万人分を増産予定で、がんばっています。
※ PS. のちに、レムデシベルの効果の方は、未定というニュースが流れました。
(Y.K)
訪問リハビリのご案内
当院では、ご自宅に理学療法士又は作業療法士が伺いリハビリを行う、訪問リハビリを行っております。訪問リハビリでは病院内で行うリハビリとは違い、実際の生活環境に添ったリハビリを行うことができます。
内容としては、家屋状況にあった安全な動作指導、介助方法のアドバイス・相談、自主トレーニングの提案、福祉用具・住宅改修の提案などを行います。実際に訪問リハビリを利用し、歩行補助具を選定し、自宅周囲の歩行練習を行ったことで、自宅周囲の活動範囲が徐々に広がっていった方がいらっしゃいます。
訪問リハビリに興味がある方は一度、担当のケアマネジャーに相談してみてください。
リハビリテーション科 山田祐太郎
退職にあたり
私は、4月28日をもって退職することになりました。
思い返せば平成18年5月8日に渋川中央病院に再就職してから、約14年が経ちました。
最初は医療安全管理・看護手順や看護基準、看護必要度の整備などに時間が掛かったことや、仕事を離れて院内旅行に参加させていただき楽しんだことなどが、走馬灯のように思い出されます。先生方や他職種・看護職の皆様に支えられて看護部の「看護の質の向上」に努めてきました。看護学生の実習受け入れや、数々の研修など皆様には負担のかかる計画にも協力いただきました。看護学生の実習受け入れや、研修は、スタッフに負担になりますが、医療・看護の質の向上のために必要なことだと思っています。
また、子育て中の人も、家庭の都合で少ししか働けない方も、それぞれの都合を考慮し、長く働くことができる病院として,皆で支え合っていって欲しいと思います。
院長先生初め諸先生・他部門・看護部の皆様には、大変お世話になりました。ありがとうございました。ますます、渋川中央病院が発展することを願っています。
此川 愛子
医者の女房
暖かくなれば終わると信じていた新型コロナウィルス。どうもそんなことでは終わら
なそうです。ある晩胸騒ぎがして、このままではいけないと思った翌朝、県知事がテレビで遂に「群馬にも発症者が出た」と発表しました。
こちらも考えて、各部署に、「私たちの職場からは絶対にコロナは出しません」という決意表明を配布しました。コロナ対策実施計画表は、平凡ですが、マスク、手洗いは当たり前、換気、ドアノブ、手摺りなどの消毒、便座の消毒などを盛り込み、各部署で可能な時間帯を決め、必ず実施するよう控えも提出してもらいました。
マスクもままならぬ現状で、空気感染の恐れすら感じられる世界のニュースを聞いていると、春の気配を運ぶ花々の開花に緩みがちな警戒心をなんとか引き締めたい…… そんな一心で、号令をかけました。
*
個人的にはいつ罹患してもいいように、入院セットの用意を旅行鞄に。家庭の中の断捨離、遺言書の用意、お金の整理、保険の一覧表、重大事項の記録(金庫の開け方とか、貸金庫の有無とか)……。その他、「明日死ぬかのように今日を生きよ」とか、「永遠に生きるごとく学べ」とか、これ、私が考えたのではありません、念の為。なにか子孫に残したい言葉あれば書き留めて。ニッコリと生きたい(逝きたい)とは、まぁ理想ですが。コロナに急かされた利点もある、今日このごろです。
(Y.K)